リウマチ

症状の発症時期や期間、家族歴、症状のある関節について詳しく問診し、痛みや腫れのある関節のレントゲン検査を行います。さらに血液検査で、リウマチ因子やリウマチ特有の自己抗体の測定を行い診断します。また、治療中は、定期的に診察し、症状のある関節の確認を行い、採血で炎症の指標となるCRPの測定や、関節破壊の指標となるMMP-3の測定を行います。

比較的に軽度の患者さんに対しては、薬物療法で対応します。免疫抑制作用によって治療するメトトレキサート、関節破壊の抑制作用に優れる生物学的製剤などの登場により、炎症や痛みを抑えるだけでなく、病気の進行を食い止めて関節が破壊されるのを防ぎ、患者さんの生活の質を高める治療が行えるようになってきました。
また、リハビリテーションも関節リウマチには有用です。関節の可動域訓練や筋力訓練、日常生活動作の訓練だけでなく、手指、手関節の変形に対する装具治療、扁平足や足趾の変形に対するインソールや靴の作成も行い、生活の質を落とさない・維持するリハビリテーションを行っていきます。
さらに、関節の破壊が進行して日常生活に支障を来すようになったときは、手術療法が必要となります。具体的には、滑膜切除術、関節形成術、人工関節置換術などがあります。このうち滑膜切除術は、関節の骨や軟骨はほとんど触らず、炎症により腫れている滑膜を取り除く手術です。良好な手術成績が報告されていますが、術後しばらくして再発する場合もあります。
人工関節置換術は、関節リウマチの進行によって関節が破壊されてしまった場合に検討します。関節を人工関節に入れ替えることにより、痛みを大幅に和らげることが出来ます。安定した歩行を取り戻し、生活の質（QOL）を向上させる効果も認められています。近年は手術技術が進歩していますし、優れた人工関節も普及してきました。従来の治療では痛みが治まらない方は、手術治療について相談してください。