傷めたときの対処法(PEACE and LOVE)
理学療法士の前川です。
足首をひねったり筋肉を痛めてしまったりした直後の対処法として、
以前の記事でRICE処置というものをご紹介しました。
↓前回のブログ記事はこちら
今回は”PEACE and LOVE”という考え方をご紹介します。
PEACE&LOVE
急性期治療に加えてその後のケアについてを含めて、新しく提案されているものがあります(参考)。
頭文字をとったもので”PEACE and LOVE”とされています。
”PEACE”は傷めた直後の対応、
”LOVE”は数日経った後の対応について提案されています。
RICE処置からアップデートされており、アイシングなどの行いすぎを注意していたり、心理的な心掛けやエクササイズの重要性も加味されています。
PEACE(傷めた直後の対応)
Protection(保護)
受傷後数日(1~3日間)は痛みが強まる活動・動作は避けます。
Elevation(挙上)
患部を心臓よりも高く挙げます。
Avoid Anti-inflammatories(過度な抗炎症回避)
炎症(腫れや熱感・痛みなど)は本来損傷した部分を治すための反応です。過度の消炎鎮痛薬の服用やアイシングは組織治癒の観点からは悪影響を与える可能性があります。
Compression(圧迫)
伸縮性バンテージやテーピングで圧迫して過度な腫脹を抑えます。
Education(教育)
患部の状態に最も適した対処法をケガをした方にお伝えすることで、過剰な薬の服用や医療従事者に頼りきった受け身的な治療を避けるようにします。
LOVE(数日が経過してからの対応)
Load(負荷)
徐々に負荷を増やすことで傷める前の活動に戻りやすくなります(むやみに上げるのではなく、医学的な判断が必要)。
Optimism(ポジティブ思考)
前向きで楽観的な思考はケガを治すための重要な役割となります。痛みの慢性化をへらすなど最適な回復のためによい心理状態を維持することが大事です。
「病は気から」と昔から言い伝えられていますが、非常に的を射た言葉となっています。
Vascularisation(有酸素運動)
痛みのない心循環系活動を行い,組織を治すため血流を促します。
Exercise(エクササイズ)
回復への積極的な活動を取り入れ,可動性,筋力,バランスなどを回復させます。
適切な診断・処置を受けて治療を行うことが必要です。病院・診療所を受診し判断を仰ぐようにしましょう。
<参考>
Dubois B, Esculier JF. Soft-tissue injuries simply need
PEACE and LOVE. Br J Sports Med 2020;54:72-73.
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