傷めたときの対処法(RICEからPEACE and LOVEへ)

理学療法士の前川です。

足首をひねったり筋肉を痛めてしまったりした直後の対処法として、

RICE(Rest,Icing,Compression,Elevation)処置というものがあります。

今回はRICEの内容をご紹介します。

RICE処置

Rest 安静

負傷直後は、運動を中止して患部を動かさないようにします。傷めた組織がさらに悪化することや過剰に腫れてしまうのを防ぎます。

Ice 冷却

冷やすことで腫れや内出血を抑制し痛みを軽減します。冷やす時間は1回15〜20分。1回目2回目の間隔は40分以上はあけるようにしましょう(凍傷の予防)。実施期間は1~3日を目安にします(行いすぎに注意)。

Compression 圧迫

適度な圧迫を患部に与えることで、腫れや炎症をコントロールします。包帯などを使用して患部を圧迫します。
圧迫が強すぎると血流を止めてしまったり、しびれなど神経の症状が出てしまいます。
しびれが出ていないか・指先などが動くかどうかや、
ときどき爪をつまんで感覚・血流を確認します。※5秒爪をつまんで離した後、2秒以内に赤く戻ればOK。

Elevation 挙上

患部を心臓より高い位置に上げることで、腫れや内出血の軽減を図ります。なるべく長い時間行うようにしましょう。足や膝をケガをした場合は椅子に長時間座るなどはNGです。

傷めたときにはこのRICE処置を対処の参考にしてください。
ただし受診までの応急処置になりますので、病院や診療所を受診し、適切な診断・処置を受けるようにしましょう。


RICE → PEACE and LOVE へ

現在では、過度なアイシングについては必要かどうかは議論されています。

アイシングは、痛みを感じにくくさせたり、過度な炎症を抑える働きを期待して行います。
しかし組織の活動を低下させることが修復する力も抑えてしまうのでは、ということが言われるようになってきました。
痛みに対して効果はみられているので、傷めた直後に関しては行ってもよいのでは…と考えています。


急性期治療に加えてその後のケアについてを含めて、新しく提案されているものもあります(参考)
こちらも頭文字をとったもので”PEACE and LOVE”とされています(幸せそうな頭文字ですね)。

RICE処置からアップデートされており、アイシングなどの行いすぎを注意していたり、心理的な心掛けやエクササイズの重要性も加味されています。
こちらについてはまた後日お伝えしたいと思います。


理学療法士/アスレティックトレーナー
前川 卓也

<参考>
Dubois B, Esculier JF. Soft-tissue injuries simply needPEACE and LOVE. Br J Sports Med 2020;54:72-73.

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